キリスト教の葬儀に行くことになったんだけど何か気をつけることとかあるのかな?
お焼香の代わりに献花をしたり、他にも色々あるよ!
りらいふくんもっと詳しく教えて!
この記事でわかる事
- キリスト教の葬儀の流れ
- キリスト教の葬儀の特徴
- キリスト教の葬儀の作法、マナー
目次
キリスト教はどんな宗教か解説
名前だけは知ってるんだけど...
イエスをキリスト(救い主)として信じているんだ。
キリスト教とは仏教、イスラム教と並ぶ世界の三大宗教のひとつです。
そして、キリスト教は世界で最も信者の多い宗教と言われています。
日本でキリスト教を信仰している人は諸外国に比べると少なめですが、それでも全国各地に教会があります。
キリスト教には多くの宗派がありますが、日本では主にカトリックとプロテスタントに大別されます。
- キリスト教の教え
- キリスト教の葬儀の考え方
キリスト教の教え
キリスト教はイエスをキリスト(救い主)として信じる宗教です。
イエスは青年時代に神の国の福音を宣べ伝えます。
そして罪ある人間を救うために自ら十字架にかけられ、のちに復活したとされています。
キリスト教の葬儀の考え方
葬儀、人の死に対する考え方はカトリックとプロテスタントで異なっています。
カトリック
カトリックにおいて死は永遠の命の始まりと考えられています。
そのため、祝福されるべきものと考えるためお悔やみの言葉[1]などは必要ありません。
カトリックの葬儀では、生前の罪に対して神の許しを得て、永遠の命に移るよう祈ります。
プロテスタント
プロテスタントでは亡くなった方は天に召されて、神に仕える者になると考えられています。
そのため、葬儀は個人の冥福を祈るのではなく神に祈りを捧げ、遺族を慰めるための儀式となっています。
キリスト教の葬儀の流れ
細かいところも色々違うから解説するね!
葬儀の流れもカトリックとプロテスタントで異なってきます。
カトリック
カトリックの特徴として、葬儀と告別式を明確に分けて行います。
- 臨終に際しての儀式
- 通夜の祈り
- 葬儀
- 告別式
臨終に際しての儀式
順番 | 名称 | 内容 |
1 | 終油の秘跡 | 臨終を迎える際に神父が額などに聖油を塗ります |
2 | 聖体拝領 | 臨終後に遺族がパンとワインを食べます |
3 | 納棺式 | 遺体を棺に納めます |
通夜の祈り
カトリックでは通夜の祈りでは大きなしきたりや決まりはありません。
一般的には聖歌斉唱、聖書朗読および神父の説教が行われ、祈りを捧げて献花などをするようです。
葬儀
順番 | 名称 | 内容 |
1 | 入堂聖歌 | 起立して聖歌を斉唱し、入場します |
2 | 開式の辞 | 神父により棺に聖水がかけられ、開式が宣言されます |
3 | 葬儀のミサ | 神父による聖書の朗読と説教、参列者全員による祈りからなる「言葉の典礼」、遺族によって捧げられたパンとワインを参列者が神父から受け取る「感謝の典礼」が行われます |
告別式
順番 | 名称 | 内容 |
1 | 入堂聖歌 | 神父、遺族および棺の入場 |
2 | 聖歌斉唱 | 参列者全員で成果を歌います |
3 | 弔辞、弔電 | |
4 | 献花 | 喪主、遺族、親族、一般参列者の順に献花を行います |
5 | 遺族挨拶 | |
6 | 出棺式 |
プロテスタント
プロテスタントでは葬儀と告別式を区別せずに一連のものとして行うことが多いです。
- 聖餐式
- 納棺式
- 前夜式
- 葬儀・告別式
- 火葬
聖餐式(せいさんしき)
信者の容体が危篤状態になった時に、すぐに協会に連絡して牧師を呼びます。
牧師は信者にパンとブドウ酒を与え、安らかに旅立てるように家族とともに祈りを捧げます。
臨終後は故人の唇を水で湿らせたガーゼで濡らす「死水をとる」儀式を行います。
納棺式
亡くなった翌日に牧師が立会い、納棺式を行います。
短い祈りを捧げた後に、遺族の手で遺体を棺に納めます。
納棺後は白い布でおおい、白い花で飾ったあと、棺のふたをして黒い布でおおいます。
棺の枕元に白や黒の布でおおった小机を置き、十字架、ろうそく、遺影と白い花を飾ります。
次に聖書の朗読・祈りののち、牧師が納棺の辞を述べて賛美歌の合唱を行い、もう一度祈りを捧げます。
前夜式
仏式でいう通夜にあたります。
牧師を呼び、賛美歌の斉唱・聖書の朗読・祈り・説教・感話(故人をしのび話をするもの)という流れになります。
そして最後に牧師・喪主・遺族・親類・参列者の順に献花を行います。
葬儀・告別式
順番 | 名称 | 内容 |
1 | 入場 | オルガン演奏とともに牧師・棺・喪主・遺族が入場し、参列者は起立して迎えます |
2 | 聖書朗読・祈祷 | 牧師による聖書朗読・祈祷が行われ、その後賛美歌を斉唱します |
3 | 牧師による説教 | 牧師が信仰とは何か、神とは何かなどの説教が行われます |
4 | 弔辞・弔電紹介 | |
5 | 祈祷・オルガン奏楽 | 黙祷しながらオルガンの演奏を聞きます |
6 | 献花 | 牧師、喪主、遺族、親族、一般会葬者の順に告別の献花を行います |
7 | 遺族代表あいさつ |
火葬
火葬場では火葬前式を行います。
棺の上を花や十字架で装飾をし、牧師を聖書で朗読し祈りを捧げます。
その後、賛美歌を斉唱し火葬します。
火葬後の骨上げは仏式と同様に行います。
キリスト教の特徴的な作法
その他にも賛美歌の斉唱があったりするよ!
キリスト教の葬儀ではカトリック、プロテスタントともに共通する仏式の葬儀にはないものがあります。
大事な儀式であり、一般参列者も参加するので葬儀本番で慌てないように把握しておきましょう。
賛美歌
賛美歌はキリスト教の神様を讃えるために歌われるものです。
賛美歌を全員で斉唱することによって、神様に感謝をし故人が天国で安らかな人生を歩めるように祈ることができます。
賛美歌への参加は強制というものではありません。
ですが、式次第にはなりますが歌詞カードのようなものが配られるので、出来るだけ参加するようにしましょう。
献花
仏式の葬儀ではお焼香を行いますが、キリスト教の葬儀では献花を行います。
献花では白い菊やカーネーションを祭壇に捧げます。
- 両手で花を受け取り、遺族に一礼して献花台に進みます
- 茎を祭壇に向け献花台に捧げます。右手で花側を持ち、左手で茎を持ちます
- 一礼して黙祷します
- 前を向いたまま数歩下がり、遺族に一礼して戻ります
キリスト教の葬儀の香典について
香典袋の選び方や表書きも仏教のものとは違うよ!
キリスト教では香典という言葉は使いません。
キリスト教では香典は「御花料」と呼びます。
キリスト教における香典の相場
香典の金額の相場に関しては仏式の香典の相場と変わりません。
香典の金額は故人との関係性や自分の年齢で変わってきます。
例として故人が親族の場合には以下のようになっています。
故人との関係性 | 20代※単位:万 | 30代 | 40代 | 50代 | 60代 |
祖父母 | 1~2 | 2~3 | 2~3 | 3~5 | 3~5 |
親 | 5~7 | 5~10 | 7~10 | 9~12 | 10~15 |
兄弟姉妹 | 3~4 | 3~4 | 4~5 | 4~5 | 5~10 |
叔父・叔母 | 0.5~1 | 1~2 | 1~2 | 2~3 | 2~3 |
その他 | 0.5~1 | 0.5~1 | 1~2 | 1~2 | 2~3 |
キリスト教の香典袋の書き方
キリスト教では香典という言葉は使わず、御花料でした。
そのため、香典袋の選び方や表書きも仏式のものとは違います。
香典袋の選び方
大きなお店などではキリスト教用の香典袋が用意されています。
具体的には水引[2]のついていない白い封筒で十字架やユリの花が描かれているものになります。
キリスト教で十字架はイエス・キリストを象徴し、白いユリの花は純血や聖母マリアを象徴します。
蓮の花が描かれているものは仏式用のですので使ってはいけません。
同様に表書きが「御仏前」となっているものも仏式用ですので使わないようにしましょう。
キリスト教用のものがなければ真っ白な無地の封筒などを使いましょう。
香典袋の表書き
香典袋の表書きはカトリックとプロテスタントの宗派で書き方が異なる場合があります。
カトリックの場合は「お花料」、「御花料」、「御ミサ料」を使用します。
プロテスタントの場合は「お花料」、「御花料」を使用します。
また、「御霊前」もカトリックとプロテスタントで使用しますが、プロテスタント系福音派などでは霊という考え方をしないので使用することができません。
宗派にかかわらず使える、「御花料」を表書きで使うことをお勧めします。
キリスト教の葬儀で気をつける2つのマナー
他にも気をつけなきゃいけないこととかあるのかな?
だからお悔やみの言葉はNGだよ!
- 服装について
- お悔やみの言葉について
一般的な仏式の葬儀とは違う点があるため、マナーや作法をしっかりと把握しておきましょう。
マナー違反な行動などで他人を不快な気持ちにさせないことが大切です。
服装について
服装に関しては仏式のと同様の服装で問題ありません。
基本的には喪服で、派手なアクセサリーや時計などはつけていかないようにしましょう。
また、数珠は仏式の葬儀で使うものになるので必要ありません。
お悔やみの言葉について
キリスト教の考え方はカトリックもプロテスタントも仏式と違います。
どちらの宗派も、亡くなった事自体は悲しい事ですが不幸なことではないという考え方です。
したがってお悔やみの言葉は不要で、「安らかな眠りをお祈りします。」のように故人の安寧をお祈りしましょう。
おわりに
- カトリックにおける死は永遠の命の始まりと考えられていて祝福するもの
- プロテスタントにおける葬儀は個人の冥福を祈るのではなく神に祈りを捧げ、遺族を慰めるための儀式
- キリスト教の葬儀では賛美歌を斉唱する
- お焼香の代わりの献花を行う
- 香典の表書きは「御花料」
- 香典袋は水引のついていない白い封筒で十字架やユリの花が描かれているもの
- お悔やみの言葉は不要
賛美歌はともかく、献花の作法は必ず覚えておこう!
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